1.自家がんワクチン
1)オーダーメイドのパーソナルながん免疫療法
自家がんワクチン療法は、手術で摘出したがんの組織部位にあるがん抗原からワクチンを作製し、がん細胞だけにねらいを定めて集中攻撃してくれる免疫細胞である、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を患者さんの体内で大量に誘導します。
2)理化学研究所発・国際特許の技術
理化学研究所は、医科学、物理学、化学、工学などの広い分野で世界トップレベルの研究を行っている研究機関です。近年iPS細胞を用いた世界初の臨床応用で注目されています。
自家がんワクチンは、理化学研究所で長年細胞培養に携わってこられた大野博士が立ち上げられた、セルメディシン株式会社が作製します。同社(茨城県つくば市)で準備したワクチン材料は、当クリニックに設置したクリーンベンチで、専門技術者の手で丁寧に注射用に調剤されます。
3)ワクチン接種は2週毎に3回で完了
以下のスケジュールで接種します。
第1日目 | … ワクチン接種1回目 |
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第2日目(2週後) | … 2回目 |
第3日目(2週後) | … 3回目 |
第4日目(2週後) | … 皮内テスト1回目 |
第5日目(2日後) | … 皮内テスト計測 |
4)がんの術後再発予防・転移防止・残存がん治療
がん細胞が少なく、増殖スピードが遅い時期に接種すれば、高い有効率が期待できます。最末期でも、脳腫瘍(神経膠芽腫/グリオブラストーマ)、乳がん末期の骨転移、胃がん末期状態から生還された患者さんがおられます。
5)約3,000名の患者さんで、重い副作用一切なし
2020年4月現在、副作用としては、注射部位の発赤、腫脹、一過性の発熱などで、重い副作用はありませんでした。
6)放射線、抗がん剤との併用可能
腫瘍が大きい場合、腫瘍を小さくするために放射線や抗がん剤を併用することは可能ですが、免疫細胞が回復するまで、ある程度の期間をあける必要があります。