医療法人 飛鳥メディカルクリニック 内科(循環器・呼吸器)・がん免疫療法・アンチエイジング

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高濃度ビタミンC点滴

1)高濃度ビタミンC点滴療法の歴史

ノーベル化学賞(1954年)と平和賞(1962年)を受賞したアメリカのライナス・ポーリング博士(1901-1994)は、ビタミンCが免疫系を強化し、ガンの抑制・予防効果を発揮すると主張していました。しかし、縄張り意識の強い当時のアメリカの医学界は(今もまったくその体質は変わっていませんし、日本でも同じですが)、データとしては不十分な否定的論文を発表し、その可能性は30年間も封印されてしまいました。すなわち、ビタミンCは、高濃度のものを点滴で投与することによって初めて、抗ガン効果を発揮するのに、否定派は経口投与しかしていないにもかかわらず、その効果は無いと結論づけてしまったのです。

しかし、ポーリング博士の流れを汲むリオルダン博士は、カンザス州に人間機能改善センターを設立。ここで、高濃度ビタミンC点滴療法の研究が重ねられ、「リオルダン・プロトコール」という基本プログラムが確立され、最近では年間3000例を越える患者さんが治療を受けています。

残念ながら一般の病院では、混合診療となるため、この治療法を知らないもしくは関心の無い医師がほとんどです。進歩的な一部の大学病院では、臨床試験が進められています。当クリニックでは、2008年5月から治療を開始。副作用がなく、患者さんのQOL(生活の質)を高める治療法です。


2)ビタミンCの抗がん作用機序

2005年、NIH(米国・国立衛生研究所)が「高濃度アスコルビン酸(ビタミンC)点滴は、ガン細胞に対してだけ、選択的に毒性として働く」という内容の論文を発表しました。ビタミンCはその構造上、ガン細胞に取り込まれやすく、周りに集まったビタミンCは大量の過酸化水素を発生します。その結果、ガン細胞は細胞の外側からダメージを受けて死滅します。しかし、正常の細胞に対しては血中で過酸化水素が発生したとしても、赤血球細胞内のカタラーゼという酵素によって除去されるので、まったく無害といえます。


3)対象となる方

すべての種類のガンにチャレンジする価値があります。ただし、ご病気の進行度、これまで受けてこられた他の治療の悪影響などの条件によって、治療の効果には差が生じることをご了承ください。

  • 手術、抗ガン剤、放射線療法の一般治療と併用したい方(ただし混合診療は認められていませんので、当クリニックでは高濃度ビタミンC点滴療法のみ受けていただきます。)併用することによって、抗ガン剤や放射線治療によっておこる副作用を軽減できます。
  • 一般治療が無効と言われた方
  • 倦怠感など生活の質を改善したい方

4)高濃度ビタミンC点滴療法の実際

米国で厳重な管理下に製造されている点滴専用アスコルビン酸(ビタミンC)を冷蔵輸入して使用しています。

  1. 1回目は12.5~15gを点滴します。この時、採血してグルコース6リン酸脱水素酵素(G6PD)という酵素活性を測定します。これは、この酵素が低下している特殊な体質の方に高濃度のビタミンCを点滴すると溶血が起こるためです。日本人には非常にまれですが、初回時には必ずこの検査を受けていただきます。
  2. 2回目は25gを点滴します。
  3. 3回目以降は50gを点滴します。点滴終了後、採血を行い、血液中のビタミンCが、有効な濃度(350~400mg/dl)に到達しているかをチェックします。
    結果が出るまで2週間かかりますが、この結果によって、さらに点滴するビタミンC濃度を調節していきます。場合によっては75~100gの点滴が必要となることもあります。
  4. 以後、最初の6ヶ月は週に2回、次の6ヶ月は週に1回、2年目は月に2回、3年目以降は月に1回となります。

ただし、病状やご希望によって当初は週に3回以上行なうこともあります。また、再発も含めて予防目的としては月に1~2回点滴します。点滴は予約制で、1回の点滴にかかる時間は50分から80分です。


5)ご準備していただくもの、費用

すでに治療を受けておられる方は、可能であれば画像、血液検査データなど、さらに治療内容のわかる紹介状をお持ちください。(必須ではありません。)保険適応外の自由診療となるため、費用は1回につき2万円程度かかります。


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